喫茶席

朝の風が吹いて
昼の風が吹いて
夜の風が吹いている

なにかの規則性があるみたいにして
雲が細々とばらまかれ
太陽は等しく街を照らし出す
まるでなにかに遮られているみたいにして

立場を愛する男と
現実しか興味のない女
そこに置かれた熱いコーヒー
壁に染み込んでいく音楽

すべてがヒトゴトに進んでいく

口を湿らせたコップの水
くしゃくしゃになったおしぼり
そこに置かれた熱いコーヒーは
ただただ冷めていく

気怠い現実を払拭するように

わたしの側は
熱いコーヒーを求めるかもしれない
たとえそれが
必要であってもなくても