乱視

句読点のない混乱を
維持する

みかんの味の珈琲を
丁寧に飲み
参考書を開けば
そこいらに広がるのは
荒野ではなく
森林だったりする

壁のむこうは
なにも見えない
向こうもこちらも

眼鏡をしっかりとしたものに
変えたいと思う
最近
ぼやけかたが尋常でない

この世界の月は
いくつあるのかしら

人ひとりだけでも
見え方にこれだけの
差異が生じるよ