その先に

坂道を下る
散歩している犬と
ただ歩いている猫
止まっては羽ばたき
羽ばたいては止まる鳥
名前のないことに
不自由さも不便さも感じない
雨が降るだろうか
風が強いだろうか
たいていのことは
そのときになればわかる
坂道を下る
その先に
海があっても
街がうごめいていても
草原が広がっても
地球の回転のなかに
わたしの意識は
置き去りにされていく
単純だけれど
限りの見えない
生きるということが
宇宙のどこかにも
あるのかどうか
今生きているわたしは
それを忘れている