他人

得体の知れないものには
なるべく関わりたくないように
丁寧な笑顔を作り
ありきたりな言葉を並べ
じぶんとは無関係の前向きな助言をする
数種類の胃薬を口に放り込んで
かなしみの代わりに怒りを並べ
怒りの代わりに笑みを浮かべた
それを見た人が
また笑みを浮かべ
それを見た次の人が
正しい怒りに変えた
かなしみは蓋をされ
海に流されていく
絶え間なく聞こえる
無数の呟きが
脳を傷つけていく
きょうの記憶すら
既になかったり