涙を知らない

隣は正式に埋まっていました

長くても一日

がんばっても一日

の空席

蝉の声が遠くなる

季節は巡っていくのを

待つように

ひとつひとつを

手放すように

ひとりを

見つけるように

涙すら知らない

のだと知った