夜明け

たいていのことは風にまかせ
ゆらりゆれて途方に暮れる

灯りに導かれるように
ぶかぶかのシャツの袖を捲る

ことばの数はわからないけれど
にんげんはやたらといるみたいだ

仕方ないやとこぼした君は
アイスコーヒーを飲み干した

いまはどこでも人の声がする
やたらと綺麗で平らな音が
街のなかでうずくまる

いまがいつでもよくある話
ほろりと泣いて月を見上げる
森は大きく静止する

夜明け
カラスが高らかに啼いた
夜明け
約束は永遠に消えた
夜明け
川沿いを散歩する
夜明け
君はどこかで眠ってる