決断

遥か彼方から
きた私と
向かいの家の黒い犬は
同一で異種
テレビを捨てて
本を拾って
お金を丸めて
パンをかじる

形のない
時計の針を
少しだけ動かしたいと
おもい
電車に乗る
少しだけ眠って
また電車に乗る
たぶん
朝がくる

スコッチの瓶を
床において
ぜんしんを横にする
ラストチャンスは
決断だと
呟いていた。