雨上がりの川沿いを歩く

手放した右手と左手
合わせれば両手を
手放してから数年
繰り返しやってくる
相変わらずの問答から
逃げるように笑ってみた
淡々とした口調で
なんでもないと告げて
努めて明るく
ありがとうと返した
晴れた日の芝生
立て膝の角度
視線や仕草まで
まるで自分自身のように
浮かび上がるのだから
いつか訪れる偶然が
もし目の前にくるのであれば
それでいい
雨上がりの川沿いを歩く
とても心地よい夢をみた
起き抜けに
相変わらず。
と呟く自分がいた