窓のそと くたくたのズボンに 映画の半券が入っている 午前0時。 きらきらした雑誌を 喫茶店の窓際で開けば 時間はわずかに停止する。 テーブルから滴る 幾つかの躊躇いが 床に転がり 店員さんの足にぶつかった 自動ドアから飛び出し やたら大きい車に運ばれて 中くらいの橋の上で ぽろりと落ちた 今日観た 映画のかなしみは もう消えていて 少し安堵する 安堵して 目を閉じる ぼくは 唇を噛んで やり過ごすことにした。 喫茶店の 窓は少し大きいと思う。