気配なるモノ

気配なるモノ
深々と祈る冬の
雪のなかへ
ワイングラスが
音をたてた
薪が爆ぜた
隣の部屋に
想像するなにかしらの
気配なるモノ
または
ヒトなる気配
わずかにきこえる
足の音
想像は飛躍する
現実を越えた現実を
捉えようとする
夜風に揺れる
木々のざわめき
また薪が爆ぜる
わきあがる
警戒の感情
震え
ありもしない
黄色の葉が
ひらりと落ちていく
踏みこんだ先に
わたしなる気配のみが
無音のなかで
怯えていた