雨を吸う 雨が降る 夜に そして朝まで 雨が降る 屋根に 滴り染みていく 窓を開ける 雨を含んだくうきが ひらいている ひらいたそばで ぼくはそれを 手ですくって拾い集める こわれて消えてしまわぬように ゆっくりと慎重に ぼくは口へと運ぶ その日 最初の呼吸をしながら 手放しながら吐き出した