青も緑も

例えば、問題と発すれば、それはまさしく問題という枠にとどまるのだろう。
例えば、愛と発すれば、それもまさしく愛という枠に阻まれるだろう。
そこに限定も制限もないのに、各々の意味は次第に増幅する。
青もあれば、緑もある。
ひとつに限るほど、単純なものでもない。
感じることが必要になるだけ。
目を凝らして、嘆いて、嘲笑って、叫んで、怯えて、それは自分のなかだけで済ませることで、相手は必要としない。
青もなければ、緑もない。
言葉がただあって、ぽっかりと夜が浮かんでいる。
海の音が聞こえる。