紫色の 大勢のキャラメルを目の前にして (数えたら三十六粒) 一枚の葉書に想いを馳せる ただ暑いだけではない 休息となる嗜好に向けて 深い理由はないけれど からだの一部分が欲求する 震える指先と瞼 山の隙間に見えた道は 遠くに思えた 記憶がまだわりと鮮明なうちに 音をたてずに吸い上げる 一日を分解して わずかに頭をもたげながら 紫色が綺麗だと あらためて知った日