夜更け

夜明けまで

まだまだ

短髪美女の

手足は長く

麦わら帽子が

山を越える

青く聡明なワンピースで

真っ白なスニーカーで

川は流れて

文庫を開く

ぱらぱらと

雨のように

言葉がこぼれ

はらはらと

涙がこぼれ

季節の中心は

いつも短い

大地の匂いがする

かすかに

混じる蜜を感じて

まだまだ

夜更けまでは

遠く