地下段

暗闇へと続く階段の一歩目は

まだこちらがわに近い故にほとんどが明るく

先が見えなければ勘違いをしてしまう

これは少しだけ暗いだけにすぎないと。

この階段のちょうど中間あたりから

前後左右は閉ざされて

やがてのみ込まれていく

これは地下深く、暗闇へと続くのか。

いや、もう暗闇そのものなのか。

暗闇へと続く階段の最後の一歩は

最初の一歩とほとんど変わりはなく

明るさに誤魔化されていたに過ぎなかった

暗闇のなかで暗闇が響いている