二官橋通り、らへん。

いつの日かこの通りを歩くとき
ぼくは今より身軽だろうか
堅苦しくはなっていないだろうか
遠回りをわざわざできるだろうか
勘違いの空腹を抑えるのか
迎えにいくのか
初めての人間に
どこまでの開放が必要で
いくつの微笑みが引き出されるのか
目の前で踊る中華鍋
すすられる中華麺
異国はいつも同じ国にある
どこに向かう米粒たち
あきらかに膨れすぎた腹
それよりも突き動かされる
衝動に近い食欲
いや、もったいない感情
微かに流れる川の辺りに佇んで
何年後になるかわからない
この通りの空を仰いだ
灰かぶりの車と
ざらつく口のなか
知らない女に払う金もないが
膨らんだ腹に入る余地はみつからない