現 誰も君を知らないはずなのに しっかりとそこに存在していて 君の色彩はやはり特殊だ ワインをたらふく飲んで 食器を洗って 排水口の掃除までして サイレンがまた鳴っている いまは夜なのだ 言い聞かせながら外へ 夜風が頬に触れる 遠ざかっていく サイレンと色彩 今日と昨日も 遠ざかって ざわざわとする