水曜日 縮こまった世界の 水曜日の たらたらと降る雨の 既に落ち着きつつある前髪の くたびれた桜の つややかなタンポポの 砂利の 軟らかい水の 黄色いエビの 探る視線の 旅立ちの 再開発の開発の やがて春の終わりの 留まることのない常の 見えないアルマジロの 頭をまわる空間そのものの ただの ありふれたなかの 真ん中の始まりの 水曜日の縷縷