語り わたしが目にして この耳で聞いたことは 秩序でも自由でもなく 新たな可能性でもなく 古典でも前衛でもなく 絶対的な正義でもない あれはただの毛布だ。 あたたかく触り心地のよい 自分だけの毛布だ だれもが温もりを知っていて それをとても心地よいと知っている ただの毛布だ 間違いない あれはただの毛布で わたしはそれを疑った 静かな絶望と怒りとともに 語りは滔々と