雲高く

胃がふくらみ
そらと空が切り替わった
その瞬間に
鼻の奥がざわつく
春の風を感じ
ジュワッとなる
夏の石ころたちを感じ
さらさらと揺れる
秋の野辺にさらされ
白く透明な広い空に
冬の静けさを知り
瓦の上にのぼる職人より
高い雲の隙間から
ちいさな雫が落ちてきた
わたし、とつぶやくのなら
ぼく、とつぶやいて
またわたし、とつぶやくのだ
整列した時間のすぐそばで
自分と自分の関わりを
もう一度確かめるのだった