輪廻

朝昼晩、通り過ぎたようで
春夏秋冬、通り過ぎたようで
すべての音楽が反復して
坂道のぼる、またのぼる
煙のなかを繰り返して
もうひとつ取り戻して
鼻から口から取り戻して
漏れ出してしまった文字も
まるまるひっくるめて
もとの位置まで
それから新しい感覚まで
またひとつ扉を開け放てば
わたしの意識も広がる
朝昼晩、巡ったようで
春夏秋冬、巡ったようで
まだこれから
まだまだこれから
おじさんも年をとる
髭も生えて腹も出る
もうひとつ手を合わせて
風が少し出てきた様子
左足からかけていく