夢現

このままテーブルのうえで
からだを広げて
目を閉じてみたい
さっきまでの
食事、フォーク、コップ
なにもかもなくなっていて
人々はあっという間に過ぎ去って
ひとつ
またひとつ
音が絞られて消えて
時間もそれに並行して
色彩も切り取られ
大きなテーブルと
わたししか残らず
ぐるりぐるりと空気が逆さまになり
わたしとわたし以外の
境界線はなくなって
まるごとすべて夢現