断片

ぼくの機能が
徐々に失われていく
胃酸が口の中に溢れ
痺れが指先を支配する
眠ることはそれほど難しいことではない
難しいのは思い出す景色と
それに伴う自分の波だ
あしたの予測は意味をなさない
シャツやズボンがないわけではない
時計も狂っていない
無数の屋根を飛び越えるのだ
からだが乾き
言葉を取り戻しながら
やがて訪れる夢の断片