かぎかっこの眠りから夢へ

あらゆるものが眠りに帰り
時間が確実に刻まれていく
言った言わないの戯れ言も
知ってる知らないの戯れも
よるに消されて
よるになる
かぎかっこで閉じた
夕焼けを片隅に
ソウゾウするわたしの生きるせかい
すこし肌寒い気がして
からだをかたくする
しかし原因は
すべてを飲み込もうとしている
このよるの空間で
鉛筆が転がる音でさえ
意思をもった呟き
ぼくはひっそりと羽を生やして
ちいさく羽ばたき
昨日で構成された
明日の想像を泳ぐ
両手を伸ばし
切り裂いたのは
かぎかっこの中身であり
はみでた現実だった
もうすぐぼくも
永遠にちかい朝日を
全身に巡らせる
ひっそりと
だれにも妨げられないように
眠りから夢へ闊歩する