意識

深く覆い
大きく広げ
すべてを境界線にして
届かないところに
なにもかもが存在するような
現実想像
どちらでもない
何者でもない暗闇
深く広い箱

音も響かない
空気も動かない

ただ存在だけは確かにあって

叫んでも叫んでも
聞こえない私の声
流しても流しても
見えない私のかなしみ
意識だけが
あたまを巡り
狂ったものまで
空間に消されていく

狂っても狂っても
聞こえない

ただ存在だけが確かにあるのだという

どこまでも続く遠くに
永遠が野放しにされて
私の肉体を
ただの意識に変えていく

ただ存在だけが確かに深く広がる

善も悪もない
ただの意識

底の概念が飛んだ
ただの容れ物に
思考はもう必要ない