たちどまる雨

たちどころに
愛は消える
憂鬱がみた
夢の果てか
朝靄に消えた
彼女の細い指か
屋根から滴る
不規則な雨か
山道をいく
路線バスが
少年の汗とともに
思い出へと変わる
湿った風が
全身に巡っていく
雨が次第に
部屋へ入り込む
すべてを自らの
生きるべく理由にして
たちどころに
愛は消えて
雨が窓のそとで
たちどまっている
現とともに
わたしは
明日を夢にみる