雨揺れる さっきまで みえなかった文字が ぼくに音速で 語りかける 買ったばかりの 雑誌を読むふり 高級なお菓子を 食べるふり あなたたちを 愛するふり さっきまで なにもみえなかったくせに ぼくはぼくにおびえ 夜中に雨が揺れた さっきまでとは ほど遠い 無秩序な雲行き ぼくは 想像のなかで 眠りをさそう まるで 少女が語りかけるように 雨が朝まで揺れていく