無言

時計の刻む

時の音

無自覚にかんじる

夜の深まり

四角い部屋に

細い糸が垂れ下がり

だれかが

その糸の行方を見守っている

無表情でみつめ

大袈裟に嗤う

一度放たれた言葉は

抵抗をもたずに

地上へ落ちる

なによりも鋭く

なによりもやわらかく

どこよりも輝き

どこよりも暗い

たとえそれが突発的なものでも

感じ取った言葉は

反芻し増幅し

やがて現実へと

変容する

醜いまでの暴力に変えて

ひとり

ただひとりとなって