やがてリンゴすら、むさぼるわ

雨、風、雨、風、風、風、雲、ときどき空、雨、風、雲、雲、晴れ。
天気のことと訊かれれば、そう、と答えるほかない。ちょっと違うのでは、と問われれば、人それぞれだし、場所もあるし、と答えるほかない。
不確定性なんぞ知ったことか。顔に雨当たり、風当たり、雲見え、空見え、晴れ見えたんだし。
人間不信は食欲不振かもしれないが、食欲不振は人間不振にはならない定理。結果には必ず、原因という厄介なよしなしごとがあって、それをうまく咀嚼すると、つまりつまらない現実というのが現れるのです。したがって、わたしたちは悲しみなくして、生きていけない。はい、拍手。

場所を変えよう。
わたし、いえ誰でもいいのですが、ピクニックに行きたいと思いつきます。思いつくのです。閃き。グッドアイデア。次に、誰と行こう。そして、どこに行こう。では、その人(その人たち)となにを食べよう。と、進んでいくわけですが、これがうまくいきません。全く。微動だにしない。
原因なんて知りません。結局、自分勝手な解釈なんです。歪められて歪められて、四角かったものも、たちまち丸い。そんな具合。
しかし、わたしはピクニックに行きたい。いえ、行ってみたい。そうなれば、もう相手を決めて、場所を決めて、物を決めて。

いざ、晴れ渡る空のなか、ピクニック。ピクニック日和。最高。この上ない喜び。
人間最高。自然最高。
なんて、想像だけの産物。本当の真実は目に見えたら仕舞い。

気にしない。気になるものか。人は関係ない。場所も関係ない。食べたいものが合わなくたって。ピクニックに来たのだから。と、こう結論づける。

にんげんひとり生きていくのに、もはやことばなど必要か。リンゴひとつで空腹はおさまれば、そりゃ解決に等しいなんて、ばかばかしいと思ってたけれど、その行為も少しよかったりして。
あれやこれやと悩むうちは、まだ毎日の余地が生まれそうです。