雨と夜 雨がね、 ぼくのへやにこぼれてくるんだ。 落ちるんじゃないよ。 降ってくるんでもないよ。 雨と夜がね、 ぼくのいるところに 記憶と現実を抜けて染み渡っていくんだ。 泣いてないよ。 泣いている記憶はあるけど 笑ってないよ。 笑っている記憶はあるけど 雨がね、 朝にまでかけてこぼれてくるんだ。 ぼくはね、 雨を眺めることにしたよ。 終わりは飽きたから、 なにも触れない中間でね。 雨、 少し甘いといいな。