ひさしぶり

あれから、寝返りをうった。
朧げな朝のベッド。しばしの沈黙。抱擁、そしてくちづけ。
腹を抱えて笑った日もあった。
涙流して歩いた日もあった。
カナシイ、クルシイ、コワイ、サミシイ。
終わりの音はフェードアウトしていく。
しばらくのあいだ、膝を抱えた。
床屋の椅子の上で。
電車の座席の上で。
コインすら音を立てずに回転を続けて、カフェテリアのテーブルを転がっていく。
成功の嘘を、苛立の真実を。
夜のほうへ夜のほうへ。
でも、なんとなく明るい場所を探している。
シアワセ、サイコウ、カンペキ、ゲンキ。
なにもない舞台でだれもいない感覚になって。
それから、寝返りをうっている。
久しぶり、元気にしてた。