あらたなる孤独

目覚めるや否や、無数の感情に取りつかれました。片手をとり、片足をとり、視界を限定し、聴覚を低く遮り、そして思考の区別をなくしていく。
時間と共に徐々に放たれながら、わたしはいくつか考えるのです。
一体、いつ目覚めたのだろう。
時計は四時を示して、子供の声が通りをいく。それとは別に声が谺する。わあん、わあん。わああん、わああん。
さっき、目が開かなかった。
テーブルにはテレビのリモコン、エアコンのリモコン、携帯電話、少し冷めたホットコーヒー。
ああ、現実はこのような平行。
接点は夢なのか。きっと解き放たれたら、輝かしいのでしょう。しかし、現実はもっと先へ。鍵のかかった自由なのです。
進んでいくのは時間だけではなかったようだ。
風が窓を叩いて、留まり続ける感覚。立ち止まることも進化する。下がっていても進化する。わたしをわたしたちと認識する。あらたなる孤独。
作為的にあくびをし、作為的に声をあげる。
一体、いつ目覚めたのだろう。
思考は結局戻ってくるのですから、いくつかの回り道をもって準備をするのでしょう。
血の繋がりと家の繋がりが集まってくる。後退した疑問質問をおちゃらけにしながら、順序を最前線に置きながら。
わたしはいつ目覚めに眠るのだろう。
失ったものを思い出し、また失っていくことを知っていて。
わたしはまたひとつ虚構していく。