無に帰そう

朝になったら
雨がやんでいた
青空が広い
太陽が大きい
それをみて
ぼくは
歳月を無に帰そうと決めた

怒りや憎しみではなく
孤独や悲壮ではなく
只 毎日を流れる
音や匂いのようになって
一枚一枚の葉脈を確かめていく
細やかさでもって
ぼくはすべてを無に帰すことにした

これから一切なんて
どれほどの意味を持つのか
一切のまえはいつになるのか
ぐるりぐるりと時間は廻る
ぽつぽつと心情は変化する
降った雨はやんで
大きな空に変わったりする

それでもぼくは
ある一部分の解放を
奥の方へと終い込み
只の日常から
永遠とも云える
無にすべてを与え
感じたものことの
すべてを言葉にぶつけよう
無から始まるものもあるのだから