クリスマス前夜

夜更けの入り口
ベッドの端で
膝を抱えて座り
少しだけ難解な本を置き
最後の電車の音が聞こえる
まだこれからだというのに
クリスマスが迫る感覚がある
羽ばたく妖精を
掴む好奇心と警戒心で
電気を消して
暖房も止めて
布団だけにくるまり
クリスマスの夜は
きっと素敵だろうと
前の日の夜に訊ねた
人々の足どりは
輝いてみえる
わけも知らず
クリスマスの予感のみで