真夜中のシンフォニー

言葉の群れは宙に舞う

扉の向こうに開かれた木蓮の優雅さを

捉まえて放って

季節はずれの美しさとして

夢に消した

僕らは距離ではないが

きっと距離に溺れた

丸い屋根に広がりを考えて

不思議を訪ねてみる

答えはそこにはない

ドライブスルーを横目に

飛び去った空腹

涙目の少年

記憶と情報と

それと現実世界が

交わって今ここで

真夜中に染み渡る