溢れるように

溢れるように書いた手紙
夜露が滴る郵便ポスト
自転車のベルに導かれる未来と過去
肩掛け鞄に詰まった夢や希望
という名の現実

溢れ落ちた夕日を
翌日には朝日に変えて
両手を固く結び祈ってみる
ときおり涙が流れるかもしれない

悲しみによって
嫉妬によって

数分後、見える景色が違うだろう
数時間後、考えられる言葉は限られるだろう
数日後、隣りの人は誰だろう
数年後、思いつく範疇ではないだろう

数秒前、頭をかすめた追憶

溢れるように書いた手紙は
届くことのない永遠を手に入れる