きみという

思い出せない

日常の細部を

均等の秩序を

きみという意識が

頭の隅にちらついて

考えられない

公平の鈍感を

平和の限界を

きみという感情が

目の奥に瞬いて

感じられない

記憶の表面を

愛情の刹那を

きみという欲望が

からだを痺れさせる