道しるべ

何度も辿ったみちを
頭のなかで描く
それが私の引いた線なのか

繰り返し、繰り返し、考える

あのときの感情を
あのまえの状態を

何度も重ねたみちを
目の前で映し出す
それが私の塗った色なのか

繰り返し、繰り返し、止まる

あのときの流れを
あのあとの行方を

私には
結論が遠い
遥かの山々のように遠い

距離があるのではく
実態がないのではなく

ただ、ただ、靄がかかる

今確かに
動いているという感覚
底知れぬ感覚

それだけが私を
後方から追いかけてくる

ただ、ただ、包まれていく

どちらが前なのかも知れずに