夜明け

忘れられない感触が

わたしの手のなかにあるうちは

夜はまだ深く

数えきれない雲たちが

交互に並んだ指を隠す

意味のある朝を

ぬくもりが遠ざけるのなら

かなしみと共に

目を瞑り

空の白に耳を傾ける

夜が手のなかを零れ

感触が夢になりつつあるのだ