時間の経過

あなたの声が聴きたくて
あなたの顔を思い出しました

薄く伸びた唇と
遠い空を見るような微笑みは

あなたの声そのものの
色彩を豊かにしているように感じます

あなたの声が
どのような感情をもって放たれているのか
あなたの声が
どのような日常のなかで放たれているのか

わたしは想像でしか

いや

あなたの声が聴きたくて
思い出そうとした幾つかの出来事を

わたしはわからずに

まるで真っ白のなかを
手探りで歩かされているようで

思考を止めることを選択したのが
わたしの精一杯で

たかが、時間の経過
そんなものだと思います