夏の午後に
陽が広く落ちて
西の山に
雲が見える
夕焼け空を追い越して
乾涸びた土に
雨が色付く

あなたの声を
遠ざけて
感覚だけが
目に見える
夕焼け空を追い駆けて
靴についた泥を
雨が洗う

夏の午後に
陽が短く散らばって
西の山に
切れ間が覗く
夕焼け空を見渡せば
木々にとまった
鳥たちが鳴いている

夕焼け空を追い越して
あなたの声が
聴こえてくる
紅く染まった山に
漫ろ歌が静かに
わたしの耳へ
ぽつぽつと詩がする