夜に思考す

ぼくは夜に思考する

夜は音がしないから

ぼくは夜に思考する

風が吹けば風の音が

雨が降れば雨の音が

だから

ぼくは夜に思考する

あとは明日になるだけで

追われるものはなにもない

たまに僕の目の前に

なにかがふと現れたり

なにかがふと消えたり

それはまるで

初めからなにもなかったかのようで

夜はあらゆるものと

隣り合わせ

見えて見えなくなって

聴こえて聴こえなくなって

わからない問いかけが

形となって問いかける

それ故

ぼくは夜に思考する

ぼくは夜に思考する

夜はぼくに思考させる