夏の詩

詩だけに向き合っていたい

愛や声ではなくて

詩だけに向き合っていたい

コロコロと鳴く虫や

ピイピイと啼く鳥や

ジリジリと照る陽や

ザワザワと立つ風や

吸うように詩を

閉じるように詩を

からだとまわりのあいだに

落としたり

並べたり

していたい

詩だけに向き合っていたい

生きているから

ただ、生きているから