きみが眠る

ゆるやかな風の吹く
何気ない
おだやかな午後に
テーブルのうえ
突っ伏して眠る横顔
気がつかないきみ
さっきまでの憂鬱も躊躇いも
色をなくして消えていった
白いカーテンが揺らいでいるなかで
すやすやと音をたてる
大型トラックのクラクションも
幼稚園児の騒ぎ声も
わずかに上がる口元に消えた
色とりどりの糸くず
甘いような
でもツンとする香り
歪んだ椅子に座って眺めると
なんだか眠くなった
このままきみが起きないで
ぼくもいつしか眠れるといい
微笑みにも似た
きみの眠る横顔の
すぐそばで